cause and effect 8
店の従業員出入り口から一歩でると、脇の方に夜の闇に紛れてしまいそうなダークグリーンのWINDOMがある。
その傍らに煙草をふかしながら背の高い男が夜空を見上げているのが見えた。
この時期にもなるとやはり夜は肌寒くて、高耶は自分の体がますます震えるのが分かった。
スニーカーがコンクリートを踏むと砂利が音を鳴らす。
その音で気付いた直江がこちらを振り返った。
表情はやはり硬いままで、高耶は泣き出したいような気持ちになった。
何を言われるために待たれたのかは分からないが、いいことではないような気がした。
「仰木さん、お疲れ様です」
何を考えているのか分からないが、仕事を終えたばかりの高耶を労う。
いいから早く罵倒でも何でもしてオレをこっぴどく振ればいい!と半ば自棄になりつつ返事もせず直江を見つめた。
すると直江はふと表情を和らげ、高耶に近付いてくる。
一歩踏み出すと不覚にもビクリと体が揺れてしまって、情けなさに腹が立った。
あぁ、オレの心の中はマイナスの感情しか湧き出てこない。
直江はそんなオレの様子も構わず、手を伸ばせば抱きつくことも突き飛ばすこともできる距離まで来て止まった。
「高耶さん」
その声が自分の名前を紡いだだけで舞い上がりそうな、馬鹿になった気分だ。
「突然のことで驚かれるかと思うんですが」
あぁ、続きを聞くのがこんなに怖いことがあっただろうか。
「あなたのことをもっと知りたいのですが」
………………?
なに?なんだって?
オレは全く予想外の直江のセリフに固まってしまった。
だって…何て言ったっけ?
「…高耶さん?」
黙ったままのオレを不審に思ったらしい直江が訝しげに声をかけてくる。
「あ…オレ…」
ようやっと出した声は掠れていた。
「オレ、頭悪ィから…何…言われてっかよく…わかんねぇ」
我ながら見事なほどに尻すぼみになってしまった。
じっと直江の靴の先ばかり見つめていたせいで直江の表情を見ることは出来なかったが、
なんだか直江の雰囲気が柔らかくなったのはその場の空気でなんとなくわかった。
「高耶さんのことが恋愛感情的なもので気になるので、もっとあなたのことを知りたいのですが。」
声には幾分か笑いが含まれていて。
とっさに見上げた先には、柔らかく微笑むオレの好きな直江がいた。
「教えてくれますか?」
そう言われて、オレに『はい』以外の何が言えるっていうんだよ!
……fin?
<さめコメ>
よかったね。高耶さん。うん。ご都合主義って知ってるかい!?
そんな唐突な終わり。いつもです!(開き直った)
続きは…どうかな。
ここで書きますとか言うと自分の首を絞めることになるので…アハハ