cause and effect 7


直江はあれからバイト先に姿を見せていない。と言ってもまだ一週間がたっただけなのだが、自分にはもう何ヶ月も過ぎたように思えた。
何で来ないのか。オレの気持ちに気付いた…?いや、そんなはずはない。そんな素振りは見せていないはずだ。
でももしかしたら…あぁ、なんだよ。どうしたらいいんだ。
こんな風にいつでもオレの頭の中にはアイツがいた。
直江のことで悩むの自分が女々しく感じられて、そのことでまた落ち込んでしまって。
そんな悪循環を繰り返して。
いい加減すっぱり引き下がるこも出来ず、かと言ってどうにか出来る事ではないとどこかで諦めかけている。
どっちつかずが一番苦しいのは良く解っているけど、前にも後ろにも動けず留まるしかないと思っていた。
そういった全ての事柄―――自分の気持にさえも―――蓋をして、高耶は元通りの生活を取り戻しつつあった。


「最近高耶元に戻ったな」
千秋が譲に話しかける。
「そうだね…」
譲も応えるが、納得していない様子だ。
「直江さん、何もしてないみたいだね。」
ふう、と溜め息をつきながら、過保護なまでに高耶を守ろうとするこの友人を千秋は少し呆れた様子で見ていた。


最近はそうそう落ち込むこともなく、なんだか調子がいい。
よかった。やっぱり気の迷いだったようだ。
そうだよな。いくらかっこいいとは言え男だし。ありえないありえない。
そうやってまた平穏な日々が戻ったと思っていたのに。

それは閉店直前。後から思えば初めて直江に会ったときもこんな時間だった。
「いらっしゃいま…」
その姿に脈拍が速まった。
まるでダッシュした直後のように喉の辺りに心臓があるようだ。
「……っ」
心臓が喉にあるせいで声がでない。
そこにはなんだか剣呑な表情をした直江が居た。
ただ本を買いに来たとは思えないその様子に、高耶は足が竦んでしまった。
なんでだ、今までどんな強そうなヤツにガン付けられても怯んだことなんてなかったのに。
「…外で待っています。」
そう一言だけ残して店を出て行ってしまった。
オレは何がなんだかわからずパニック状態だ。
どうして直江がオレを待つのか、どうしてこんなに脚が震えるのか。

その後どうやって後片付けをしたのかは覚えていない。




<さめコメ>
あ〜もう鈍いね!高耶さんが直江の気持ちがわからないって悩むのが好き。
原作ではなかなかないのでね。むしろ愛されすぎてて苦し…
次で最後です。


BACK NEXT
NOVEL