cause and effect 3


「なぁ、高耶、今日おかしくない?」
高耶の親友、譲も首をひねるほど、高耶の様子はおかしいのだ。
「さぁ…いつものことじゃねぇの?」
千秋はそう言うが、いつもとは全然様子が違うのは一目瞭然だ。
なんだかニコニコしていたと思ったら、次の瞬間にはむすっとしたり、慌ててみたり、果てはず〜んと落ち込んでと、百面相をしているのだ。
昨日までもどこか元気がなかったから、きっと何か悩みがあるに違いない。
そう考えた譲は、放課後に高耶のうちに押しかけて原因を究明することにした。
「千秋、今日バイトないよね」
「オレも行くのかよ!?勝手に決めるな…っ」
「行かないの?」
穏やかそうな譲だが、なぜか逆らえない雰囲気があって、結局一緒に行くことになった。
「高耶〜今日お前んち行ってもいい?ちょっと聞きたいことがあってさ」
「?うん…いいけど」
高耶が何も知らずに返事をしたことによって、今日は高耶の家で尋問ということになった。

そして放課後。
譲も千秋も勝手知ったる高耶の部屋なので、それぞれの定位置にくつろいで座る。
「で、単刀直入に聞くけど、なにがあったの?」
何かあったのか、ではなく、何があったのか、と聞いてくるあたり、譲は何かはあったと確信してるらしい。
「え・・・何がって・・・?」
そして本人はその鈍さゆえに自分がどうしてこうなっているかは気付いてないらしい。
すると譲は切り口を変えて、 「今日なんか楽しそうだったじゃん。何したの?」
と聞いてくる。
「え〜・・・別に…」
実は高耶にも説明できないものだった。
譲は昨日学校にいたときまでは高耶は普通というか、落ち込んだ感じだったのを覚えていて、きっとバイト先で何かあったに違いないと気付いている。
「バイトでなんかあったの?」
そう問うと、高耶が目に見えて慌て始め、狼狽する。
「誰かにあったの?」
千秋は、譲の目が光っているような気がした。
(問い詰められるのがオレじゃなくて良かった…)
そうして高耶は二人(主に譲)に根掘り葉掘り聞き出されることとなった。

一通り話を聞いた二人。
「それって…」
まるで恋するオトメではないか。
そう思ったが、さすがに口には出さなかった。
恋するオトメという言葉が高耶を傷つけるということもあったが、その感情が恋というものだと教えても今の高耶では混乱するだけだと思ったからだ。
それにしても、高耶は自分の気持ちに気付いていないようだ。
おそらく、今まで恋愛らしい恋愛というものをしたことがないせいだろう。
だからこそ、その想いは純粋とも言えるだろう。
譲は、事情は分かったが、その相手の男を見ないことにはこれからどうするか納得いく答えを見つけられそうにもない、と思い、
「今日はこれで帰るよ。急にごめんな」
ともう帰る準備をしている。
「え、もう…?」
「まだ来たばっかじゃねぇか!」
高耶も千秋も驚いたように譲を見上げる。
「帰るよ。これからちょっと考えなきゃなんないから」
何を、とは言わずに部屋のドアを開けてじゃあまた、と辞する譲と、それをそそくさと追う千秋を止めることも出来ずに、高耶は二人を見送ったのだった。



<さめコメ>
短いですがキリがよさそうなのでここでひとまず切ります。
譲に尋問されるのはいやだなぁ。
それにしてもこの高耶さん、きっと天然だ!


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